パフォーマンスの脳科学。観客にウケやすい演出とは?

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はじめに。


私がステージで演じるマジックで・・

「ファイヤーケーン」

と呼ばれるものがあります。

シルクハンカチに火をつけて燃やすとステッキに変化するというマジックです。

よくある、「ハンカチをステッキに変えるマジック」に「火」という演出を加えたもの。

ハンカチを、そのままステッキに変えるよりも、火という演出を加えた方が観客から、もらえる反応が良くなりやすいです。

実はマジックには「火」や「炎」という演出が多く活用されています。

マジックの演出に火や炎が多く使われている理由。


コインを紙で包んで火で燃やして消す。

あるいは・・

手から炎を出す。

等・・

なぜ、マジシャンは火や炎を多く使うのか?

単純に・・

マジックっぽいから。

そういう理由もあるかもしれませんが・・

実はもっと、深い理由が本当はあるのです。

それは・・

マジックに限らず・・

ジャグリング、大道芸、サーカス等、

エンターティメント全般に共通する理由です。

さて、少し話がずれてしまいますが・・

なぜ、人はテーマパークでジェットコースターに乗りたくなるのでしょうか?

ジェットコースターに乗っている人たちの大半は・・

「キャー!!」

と・・

大きな声で怖がっています。

怖いのに、なぜ、乗っているのか?

わかりますでしょうか?

その理由は・・

人は本気で恐怖を体感する一歩手前は楽しいのです。

人は怖い思いをする時には脳内で「アドレナリン」が分泌されます。

アドレナリンとは人が興奮状態のときに分泌される脳内物質です。

人が興奮する時とは・・

・スポーツをしている時、または観戦している時。

・怒っている時。

・悲しい時。

等・・

楽しい時もあれば、そうでなく嫌な思いをしている時もあります。

つまり・・

人は興奮をしたいけど、興奮しすぎるのは嫌なのです。

わかりやすく言えば、ほどよく興奮をしたいという事です。

それを利用した、エンターティメントはジェットコースター以外にも、沢山あります。

例えば・・

お化け屋敷やホラー映画です。

怖いけど、楽しい。

しかし・・

お化け屋敷は本物のお化けではないと、わかっているから「恐怖の一歩手前」で楽しいのでしょう。

もし、本物のお化けだとしたら、完全な恐怖です。

その、「恐怖の一歩手前」を利用したのが・・

火を使うマジックでもあります。

火は危険です。

ハンカチを燃やしてもステッキに変化しなければ、火傷をするかもしれないし、最悪、火事になってしまいます。

観客は恐怖で嫌な思いをしてしまうでしょう。

しかし、一瞬でステッキに変化をするから、楽しいのです。

大道芸で火のついた松明や剣を「お手玉」のように投げる芸も同じ理論でしょう。

火や炎以外でも・・

昔からよくある、

箱の中に女性を入れて剣で刺して、中の女性が無事に出てくるというマジックも・・

まさに「恐怖の一歩手前」で楽しいのでしょう。


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危険術など過激な演出は空気を読むことが大切。


「恐怖の一歩手前」でなく・・

「嫌な思いの一歩手前」

という意味で、身近で男性が、よく楽しむものがあります。

それは・・

下ネタです。(笑)

ほどよい下ネタは笑えて楽しいです。

しかし・・

行き過ぎると、ドン引きされて、人に不快感を与えます。

特に女性には・・。

しかし・・

不思議なもので男性はある程度まで楽しいですが・・

女性はすぐに不快感になってしまいます。

その理由は・・

一歩手前の境界線が人それぞれ違うからです。

それは、「恐怖の一歩手前」も同じくです。

ジェットコースターやお化け屋敷も好きな人もいれば、中には苦手な人もいます。

ちなみに私はホラー映画はわりと好きですが、血や肉が飛び散るようないわゆる「スプラッター系」と言われるものは苦手です。

「興奮」が楽しいから恐怖や不快感に変わってしまう境界線は人それぞれ違うのです。

ですので、それを利用したエンターティメントは実は・・

「諸刃の剣」

なのです。

・火や炎

・危険術

・下ネタ

これらの演出は、手軽に観客にウケやすいですが、一歩行き過ぎると・・

「ドン引き」

に変わってしまいます。

これらを使いこなせるようになることが・・

空気を読む。

ということ。

そして・・

しっかりと、安全に使いこなす訓練が必要です。

最後に。


万が一・・

火を使うマジックなどで事故を起こしてしまうと、その現場では、他のパフォーマーも火を使う事が禁止されてしまうかもしれません。

火など危険な演出をする際は、責任を持って安全に演じることを心がけましょう。


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*画像「Pixabay」より

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