南国市は「なんこくし」と濁らずに読む3つの理由。

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はじめに


高知県にある南国市は「なんこくし」と読みます。

「なんごく」ではなくて・・

「なんこく」です。

濁点は無く濁らずに読むのです。

しかし・・

一般的に「南の地方にある国」という意味の「南国」は「なんごく」と読みます。

なぜ・・

南国市は「なんこくし」なのか?

地元でも理由を知っている人は、あまりいなくて、謎です。

南国市とは?


県庁所在地である高知市の東側に隣接する人口約47500人ほどの市です。

高知県では高知市に次いで、第2位の人口だそうですが・・

第2の都市として、全国で最も人口の少ない都市だそうです。

ちなみに人口1位の高知市は約33万人。

南国市は高知龍馬空港があり、高知県の玄関口です。

長宗我部元親の居城であった岡豊城跡や高知県歴史民俗資料館等もあります。

地元の人達も南国市を「なんごく」と間違えて読んでいる


南国市の市役所や税務署、郵便局やJAは正式名称である「なんこく」と表示しています。

ところが・・

地元の銀行である四国銀行南国支店は・・

「なんごくしてん」。

高知自動車道の南国サービスエリアは・・

「なんごくサービスエリア」。

自動車教習所の南国自動車学校も・・

「なんごくじどうしゃがっこう」。

と読みます。

ですので・・

実際のところ、地元の人でも南国市の事を「なんごく」と言う人が、ほとんどです。

「なんこく」は何だか言いづらいですしね・・

地元のアナウンサーの人にとっては、かなり、ややこしいのではないかと思います。


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なぜ「なんこくし」と読むのか?


南国市は今から約60年前の1959年に後免町、香長村、野田村、岡豊村、岩村の5町村が合併して、誕生した市です。

では、なぜ・・

「なんごくし」ではなく、

「なんこくし」になったのでしょうか?

実業之日本社から出版されている、によると・・

3つの説があるそうです。

①「ごく」は「獄」を連想するから。

獄は「地獄」「監獄」「獄門」等、不吉な言葉に多く使われる漢字なので・・

「ごく」ではなく「こく」と読むようにした。

②当時の後免町の幹部職員からの意見で・・

日本の行政区分では「国」は「ごく」とは読まず「こく」と呼ぶ。

その為・・

「なんごく」ではなく「なんこく」と読む事になった。

③「南国土佐を後にして」の影響。

当時、歌手のペギー葉山さんの歌う「南国土佐を後にして」が大ヒットしていました。

ペギー葉山さんは「なんごく」と歌っていました。

その為・・

流行歌から市の名前を決めたというのは、印象が悪いという意見があり・・

「なんごく」てはなく「なんこく」となった。

という理由が考えられるとの事です。

さらに・・

もう1つ考えられる理由があります。

まず・・

高知で、とても多い苗字の1つは・・

「山﨑」

です。

読み方は「やまざき」ではなく・・

圧倒的に「やまさき」が多いです。

こちらも濁りません。

「山﨑」は全国的にも多い苗字ではありますが、

実は・・

東日本では「やまざき」と濁音の読み方が多く、

西日本では「やまさき」と清音の読み方が多いそうです。

理由は・・

西日本では、元々、濁音を嫌う傾向があったからだそうです

ですので・・

南国市も「なんごくし」と濁らずに「なんこくし」と清音の読み方になったのでは?

と考えられるでしょう。

ちなみに・・

高知県の市町村で現場ある市に限って見ると、

高知市(こうちし)
室戸市(むろとし)
安芸市(あきし)
南国市(なんこくし)
土佐市(とさし)
須崎市(すさきし)
宿毛市(すくもし)
土佐清水市(とさしみずし)
四万十市(しまんとし)
香南市(こうなんし)
香美市(かみし)

と・・

11ある市のうち10市が清音のみです。

唯一、土佐清水市のみ濁音がありますが・・

「清」という漢字があるので、良しとしたのかもしれません。

最後に


現在、辞書で南国を調べると・・

「なんこく」という項目があり、

「高知県中部の市」と書かれているそうです。

日本語で「なんこく」という言葉は高知県南国市しかないそうです。

つまり・・

南国市は新しい日本語を作ったと言う事です。

参考書籍




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