高知県民も知らない「よさこい祭り」の真実。

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はじめに。


高知を代表する夏の風物詩といえば「よさこい祭り」です。

私も幼い頃から夏は「よさこい」を見て育ちました。

3回ほどですが踊り子として参加した事もあります。

しかし・・

実は「よさこい祭り」は高知県民でも、あまり知られていない歴史や事柄があったりします。

私が知っている限りの「よさこい」にまつわる豆知識を記事にします。

「よさこい」の意味とは?


そもそも「よさこい」とは・・

「夜さり来い」という古い言葉が変化した言葉だそうです。

現代語に直すと「夜にいらっしゃい」という意味であり、色気のある言葉。

これは、全国的に使われていた言葉であり、土佐弁ではありません。

では、なぜ、土佐の民謡である「よさこい節」に、このフレーズが使われるようになったのか?

・山内一豊が土佐に入国して高知城を築いたとき、作事場で歌われた木遣り唄の「ヨイショコイ」という掛け声が「よさこい」に変化したとする説。

・大奥女中の絵島と歌舞伎役者の生島新五郎の情話が絵島節となって、全国的に流行し、それが土佐に伝わって変化したという説(この場合は「夜にいらっしゃい」という意味。)

・鹿児島県の「夜さ来い晩に来い」という囃子詞を持つ民謡が伝えられたとする説。(土佐から鹿児島へ伝わったという説もある)。

・夜這いの風習と関連させて農耕生活の場で歌われていたと推定する説。

・「よってらっしゃい」を意味する土佐の昔言葉という説。

など、様々な説があるようですが・・

特定は出来ていないようです。

「よさこい節」は「よさこい踊り」が誕生する、ずっと以前から座敷唄として、歌われていたようです。

つまり、芸者さん達が歌っていたわけですから、色気のあるフレーズである事に疑問はありません。

しかし・・

現代では「よさこい」といえば気が「よさこい踊り」を指すようになりました。

「夜さり来い」という言葉は9世紀末の平安時代頃から使われていた言葉であり、それが江戸時代から現代まで様々な変化をして、現代の「よさこい」という言葉が生まれたという事なのではないでしょうか。

ちなみに・・

「よさこい踊り」の掛け声としてお馴染みの「よっちょれ」とは土佐弁であり「寄っていなさい」という意味です。

つまり・・

「踊り子が通るので、端に寄って道を開けなさい。」

という意味でだそうです。

「よさこい祭り」はいつから開催されているのか?


第1回の「よさこい祭り」が開催されたのは昭和29年です。

第1回よさこい祭りの様子。
RKC高知放送・eye+スーパー より

しかし、実は・・

それ以前の昭和25年に開催された南国高知産業大博覧会で「よさこい踊り」が初披露されていたそうです。

「よさこい祭り」は戦後、高知の街を活気づけようという意思で、お隣の徳島県の「阿波踊り」を真似て生まれた祭りだそうです。

土佐の民謡である「よさこい節」に振付をして鳴子(なるこ)を手に持つスタイルで「よさこい踊り」が生まれました。

ちなみに・・

鳴子は元々は畑を荒らしに来る野鳥を追い払うための道具だそうです。

阿波踊りは江戸時代から続く歴史のある盆踊りですが、「よさこい踊り」は昭和に生まれた踊りなのです。

つまり・・

「よさこい祭り」は現代の祭りと言えるでしょう。

第5回よさこい祭りの様子。
RKC高知放送・eye+スーパー より

現在の「よさこい祭り」の日程は・・

8月9日が前夜祭。

8月10日〜11日の2日間が本祭。

8月12日が後夜祭と全国大会となっています。

曜日は関係なく、毎年、上記の4日間の日程で開催されています。

ちなみに・・

お隣の徳島県の「阿波踊り」は毎年8月12日〜15日の日程で開催されているようです。

12日だけは重なっていますが、四国に観光に来た旅行客に「よさこい」と「阿波踊り」どちらも楽しめるように配慮した日程となっているのではないでしょうか?


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昔は前夜祭と後夜祭も無かった。


「よさこい祭り」の前夜祭が始まったのは平成3年からです。

そして・・

後夜祭が始まったのは平成7年から。

全国大会が始まったのは平成11年からです。

つまり・・

平成2年(1990年)までの「よさこい祭り」は本祭2日間のみだったのです。

ちなみに・・

前夜祭は昨年の受賞チームが中心に中央公園の特設ステージで踊りを一足早く披露するイベントです。

そして・・

後夜祭はその年の本祭受賞チームを中心に中央公園の特設ステージで受賞した踊りを披露して祭りを締めくくるイベントなのです。

後夜祭と全国大会の違いって何?


「よさこい祭り」の後夜祭と全国大会は同じ8月12日に開催されています。

ですので・・

どちらも混同されがちであり、高知県民でも違いをわかっていない人が多いようです。

まず・・

全国大会とは12日の昼過ぎから開催されます。

参加チームは、その年の受賞チームと事前に申し込んでいる県外チームです。

県外チームの中には全国大会のみ参加するチームもあります。

競演場は追手筋、帯屋町アーケード、高知城、中央公園のみであり、12日は中心街から離れた演舞場では踊りは披露されません。

そして・・

後夜祭とは12日の夜7時頃から中央公園で開催されるイベント。

その年の本祭受賞チームが踊りを披露して祭りを締めくくるイベントです。

わかりやすく言えば・・

12日の中央公園以外、もしくは夜7時前の中央公園での演舞は全国大会。

そして・・

12日の夜7時以降の中央公園の演舞は後夜祭という事です。

とは言っても、同時開催されているわけですから、たしかに、わかり辛いですよね。

ちなみに・・

よさこい全国大会では本祭での賞とは別に、県外チーム対象の賞が幾つかと、地元の高知チーム対象の「武政英策賞」などが用意されています。

最後に。


「よさこい祭り」は元々は高知県の祭りというよりは、高知市の祭りでした。

ですので・・

高知市と離れた郡部住む人は高知県民でも、あまり「よさこい祭り」とは馴染みのない人もいたりします。

しかし・・

最近は四万十市でも「よさこい祭り」が開催されたり、高知市以外の地域チームも増えて、高知県の祭りになったと言って過言ではないと思われます。

*追記

2020年8月に開催予定だった「第67回よさこい祭り」は新型コロナウィルスの影響で初の中止となりました。

前夜祭は台風で2回だけ中止になった事があるのと、1972年(昭和47年)に繁藤災害の影響で8月29日~31日に延期されたことはあるようですが、よさこい祭りの本祭が中止となるのは67年目で初めての事です。


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