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目次
はじめに。
私はマジックバーの店長であり経営者でもあります。
店長としては12年目、経営者としては6年目となります。
それ以前はスタッフとしてバーに勤めていた事もありました。
私が店を営んでいる街でも多くのバーやスナック、居酒屋などが新しく開店したり、閉店したりと入れ替わりが繰り返えされています。
夜の飲食店は競争が激しい業界であります。
これから、バーやスナックなど夜の飲食店を営む事を考えている方の参考になるように、私の知識と経験を記事にまとめておきます。
バー経営は甘くない。
飲食業の1年以内の廃業率は18.9%で業界トップだそうです。
10年以上続くお店は1割程度しかないとも言われています。
バーやスナックなどは参入もしやすい業界であり、競争も激しいですので、さらに、厳しい業界と言えるかもしれません。
つまり・・
バー経営をするのであれば、バーを開店するまではスタートラインに立つだけに過ぎません。
勝負は開店後にお店を続けて行けるかどうかです。
ただ漠然とバーを営んでみたいと思っているだけで、やって行けるほど甘くはないことを知っておきましょう。
バーやスナックなどは開店後、半年程度で閉店するお店もザラにあります。
しかし・・
実はその多くは開店前から失敗している事が多いのです。
こちらの記事では、その開店前からの失敗をしない注意点についてを説明いたします。
バーの経営計画を5W1Hで作ってみよう。
これから、バーを開店するのであれば、物件探し、内装、メニュー作りなど、やるべき事が沢山あります。
しかし・・
初めてお店を立ち上げる人は何をどのような順序で進めていけば良いか、わからないでしょう。
ですので・・
お店をオープンさせるまでのプロセスを「5W1H」で整理しておきましょう。
5W1Hとは・・
When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)。
以上の言葉を意識する事で伝えたい情報を明確にする事が出来る、ビジネスの世界などで使われている用語です。
When(いつ)。
バーをいつオープンさせるのか?
まずはオープン日を決めましょう。
そうする事で、オープン日までにやるべき契約や準備などの、日程を決める事が出来ます。
Where(どこで)。
どこで?
つまり、バーを何処でオープンするのか?
オープン日を決めたら、次はバーを開店させる場所を決めましょう。
バーであれば、夜の繁華街で開店させる場合が殆どでしょうが、具体的に何処の通りで何処の場所の物件を狙うかを決めましょう。
繁華街を実際に歩いてみて、具体的な候補地を3つ程に絞っておくと良いです。
物件探しの際に家賃の兼ね合いで、最終的に決めましょう。
実際の物件探しは、まだ、後からです。
Who(だれが)。
だれか?
もちろん、自分がやるのではありますが・・
一人でやるのか?
従業員を雇うのか?
です。
こちらにおいては、断然、まずは一人でやる事をお勧めします。
従業員を雇うと毎月、給料を払わない行けなくなります。
素人が開店したお店でいきなり、毎月の人件費コストを抱えるのはハードルが高過ぎます。
給料は赤字でも必ず払わないと行けません。
ですので、いきなり人を雇うのは避けましょう。
人を雇うのはお店が軌道に乗り、一人では回せなくなってから雇えば良いのです。
お店のコンセプト的に、どうしてもスタッフが必要な場合は、週末など、忙しい時にバイトを頼める人を探す程度にしておきましょう。
What(なにを)。
なにを?
もちろん、バーを開店するのではありますが・・
何を売りのバーにするのか?
単なるお酒を出すだけのバーであれば、繁華街には沢山あるでしょう。
他店とは違う魅力のあるお店ではないと、生き残れません。
私の場合はマジックバーであり、マジックを売りにしています。
Why(なぜ)。
なぜ?
なぜ、お客様はあなたの店に来るのか?
その理由がないとお客様は店には来ません。
店を開店すればお客様がやって来ると思うのであれば、大間違いです。
私の場合はマジックバーであり、高知にマジックバーは私の店一件しかありません。
ですので、マジックを見たいお客様は必ずと言って良いほど私の店に来てくださるのです。
How(どのように)。
どのように?
店の規模や家賃の目安、メニューや料金などを具体的に決めておきましょう。
家賃+光熱費+お酒などの仕入れ代で月の経費は幾らくらいかかりそうか?
それに対して、お客様は1日に何名ほど見込めるか?
客単価はどのくらい見込めるか?
以上を予測して具体的な数字で戦略を立てましょう。
ここまでを決めたら、次は物件探しです。
穴場物件を探すコツ。
物件の家賃は安いに越した事はありませんが、立地は重要です。
家賃が安くても誰にも気付かれない場所では、お客様は来店しにくいです。
ただし、一等地に面した物件は家賃が高い。
そもそも、バーというのは新規客よりも、お店を知っている常連様を中心に営業するのが定番です。
それならば、隠れ家的な場所でも大丈夫です。
ただし、初めてバーを開店する人の場合は新規客にも来てもらわないと常連様も生まれません。
ですので・・
一等地には面していなくても、始めての人でも、わかりやすい場所にお店がないといけません。
つまり・・
口で説明しやすい場所であれば、良いのです。
例えば・・
有名なお店が1階にあるビルの2階や3階のテナント物件を狙う。
もしくは・・
近くに誰もが知っている観光名所があるなど。
目印になるものが近くにある物件が有利であり、狙い目でしょう。
私のお店もネットで知って行きたいので、場所を教えてほしいという電話が、よくかかってきます。
そういった場合に場所の説明がしやすい場所にある物件を狙いましょう。
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物件は居抜きを狙う。
初めてバーを開店させるのであれは、物件は居抜き物件を探しましょう。
居抜き物件とは過去に入っていたお店の内装や厨房設備、空調設備などが残ったままになっている物件です。
バーの内装工事費用の相場はカウンター、テーブル、イス、水回り、厨房、壁紙、照明などで、300万円〜500万らしいです。
空調設備まで入れると、さらにかかります。
つまり・・
居抜き物件なら内装工事代が殆どかからずに大幅に開店資金を節約出来ます。
浮いた資金は開店後の運転資金に残しておきましょう。
自分のお店を開く場合は、内装も自分好みにしたいと思いがちですが、飲食店は開店した後が勝負です。
開店後に資金が無いのでは、いざという時に勝負が出来ません。
どうしても、内装が気に入らない場合は、テーブルやカウンターなどを塗装して色を変えるだけで、かなり雰囲気が変わります。
そして・・
物件の広さは一人で回せる程度の規模を探しましょう。
とは、言っても狭すぎるのもダメです。
バーは貸切団体で、かなりの売上を稼げます。
貸切の場合、一人で何名までなら対応出来るか?
その辺りを考慮して広さを決めましょう。
あと・・
注意点として居抜き物件は取り付けられているエアコンを、しっかり調べておきましょう。
あまりに古いタイプのエアコンであれば要注意です。
業務用のエアコンは相場50万円と高価。
開店して半年程度でエアコンが故障したとなると、思わぬ高額な出費がかかる恐れがあります。
そちらについて、詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
↓
・店舗の業務用エアコンが故障した際の注意事項。損をしない方法。
家賃は交渉で下げる。
家賃は固定費です。
毎月払わなといけないです。
ならば、安いに越した事はありません。
不動産業者や大家から提示された金額で、すぐに契約するのではなく、必ず交渉しましょう。
1万円安くなれば開店後に毎月1万円の売り上げが無条件で入るのと同じです。
1年で12万円。10年で120万円です。
たとえ、5000円でも下がれば、かなり大きい事です。
酒店と契約して備品を貸してもらう。
物件が決まったら、取引する酒店を決めましょう。
心当たりなければ、信頼出来る飲食店経営者、または契約した物件の管理人に相談すれば紹介してもらえたりもします。
飲食業界は特定の酒店と契約する事を条件に、冷蔵庫やビアクーラーなどの厨房機器を貸してもらえたり、グラスをもらえたりもします。
また・・
交渉すれば店の看板を酒店に作ってもらえる事も。
居酒屋やバーなどで、キリンやアサヒいったビールメーカーのロゴが入っている看板を、よく見かけないでしょうか?
あれは特定のブランドのビールを取り扱う事を条件に、取引している、酒店を通じて看板を作ってもらっているのです。
酒店と以上を交渉する事で開店資金を削減できます。
広告宣伝費は0で良い。
お店を開店に向けて派手に宣伝したいと思う一人は多いでしょうが・・
クーポン誌やタウン情報誌などにお金をかけて広告を掲載するのは避けましょう。
今はSNSなどネット上で誰でも無料で宣伝が出来る時代です。
それで十分なのです。
わざわざ、数万円もかけて雑誌などに広告を掲載するのは時代遅れなのです。
また・・
開店直後で、まだ、慣れない営業状態で沢山の新規客に来てもらっても、上手く対応出来ないリスクもあります。
開店直後は知人を中心に来てもらえば良いでしょう。
そして、SNSやビラ配りなど、無駄にお金かけない地道な宣伝活動で口コミを狙いましょう。
素人経営でも失敗しないコツは無駄なお金かけないこと。
バー開店を成功させるアドバイスをまとめると・・
・人を雇わない。
・居抜き物件で内装費用を節約。
・家賃は出来る限り安く交渉。
・広告宣伝費はかけない。
以上です。
つまり、無駄な経費をかけない事です。
素人経営であれば、お店を開店されるまでは素人なのですから、そこで勝負をしてはいけません。
勝負をするのはお店を開店させて、ある程度、経営の経験をしてからするべきなのです。
バー経営に必要な許可証や資格。
基本的にバーは飲食店ですので、飲食店経営の許可証と食品衛生責任者の資格が必要になります。
どちらも、管轄は地域の保健所ですので、開店前にも連絡しましょう。
食品衛生責任者の資格は半日ほどの講習を受けて費用を払えば取得できます。
あと、営業形態によっては、風俗営業許可が必要な場合もありますが、それについては地域の条例によって変わってきますので、信頼出来るバー経営している人がいれば、聞いてみると良いでしょう。
または警察署に問い合わせてみて、調べてもらうと良いでしょう。
最後に。
以上、バーや、またカフェなど、これから飲食店を開店させると事を検討している人のお役に立てれば幸いです。
関連記事として、以下の記事を書いていますので、宜しければ合わせ読んで見てください。
↓
・小さな飲食店が成功する、たった一つの方法。
また・・
バーやスナックなどを始めたい方へお勧めの本はこちら。
↑
ホリエモン氏はアンチも多いですが、こちらは、とても飲食店経営についてのノウハウをわかりやすく説明していて良書です。しかも、漫画で読みやすいです。
↑
こちらのランチェスター戦略については、小さなお店を経営する上で勉強しておくべきです。
漫画で読みやすく、さらに具体的な例を挙げて、わかりやすく説明されています。
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*その他の画像「Pixabay」より