スポンサーリンク
はじめに。
マジシャンの業界でプロとアマチュアの境界線というのは大変に曖昧なものです。
それは・・
プロマジシャンになる為に試験や免許というものは必要ないからです。
言ってしまえば「プロマジシャン」という人達は全員が自称なのです。
ですので・・
プロマジシャンと名乗るのは誰でも自由に名乗ることが出来ます。
ただし・・
その分、実力の世界ですから、プロとして食べて行けるかどうかは、その人の実力次第ということになります。
発表会とショーの違い。
アマチュアマジシャンの世界では、よく発表会というものが開催されます。
マジックに限らず、ピアノやその他の音楽演奏、演劇やダンス等でも発表会と言われるイベントが多くあります。
アマチュアバンドのライブも発表会のようなものでしょう。
日頃の練習の成果をステージで多くの人に披露して発表するのが発表会です。
私もかつて、趣味としてマジックを楽しんでいた頃には毎年、発表会に参加していました。
発表会というものは、主に司会の人が一人一人の出演者を紹介し、その度に出演者が練習した演目を披露するというスタイルがオーソドックスな発表会です。
マジックにしろ音楽やダンスにしろ、ただ、練習するだけでは、つまらないでしょうし、練習したものを披露する場というものは必要です。
それがないと、モチベーションが上がらないですし・・
何の為に練習しているのか、わからなくなってしまうでしょう。
しかし・・
発表会とショーは別物です。
それは・・
ショーは観客の為に披露されるイベントですが、
発表会は披露する演者の為のイベントだからです。
観客が何を見たいかよりも・・
演者が見せたいものを見せるのが発表会です。
ですので・・
ほとんどの発表会は演者が見せたいものを見せるのにベストな状況を作ることを優先して構成されるでしょう。
その為・・
発表会は一つ一つの演目をしっかり観客に見てもらえるように進行されます。
せっかく練習した演目ですから、一つ一つをしっかり見てもらいたいのは当然でしょう。
しかし・・
ショーは違います。
ショーであれば観客が楽しむ事を優先して構成しないといけません。
一つ一つの演目をしっかり見せるよりも・・
演目は複数あっても、それを組み合わせて、一つのショーを作りあげるものです。
つまり・・
個々の演目をしっかり見せるのが発表会、
個々の演目を組み合わせて一つの形を作りあげるのがショー、
なのです。
スポンサーリンク
プロはショーを披露出来ないといけない。
ショーを披露するためには・・
客にとって、何をどのような順序で見せるのがベストかを考えて構成する必要があります。
さらに・・
マジシャンであっても、ただマジックを見せるだけではショーにはなりません。
MCのスキルや音響、照明の知識も重要です。
また・・
演目の転換をスムーズに行うこと。
これは、ショーにおいて、とても重要なことです。
演目と演目の間の「間」が長いのは、観客の気持ちが、その間に冷めてしまいます。
それでは、一つのショーではなくなってしまいます。
30分のショーを披露するのであれば・・
マジック、MC、音楽、照明等を組み合わせて、
つねに30分間ステージでショーが行われていないといけません。
転換の為にステージ上が中断になってしまうというのは、発表会では許されたとしても、ショーではやってはいけないことです。
しかし・・
そこを、わかっていないパフォーマーの方を、たまに見かけることがあります。
ショーではなく、まるでミニ発表会のようなものを披露してしまっているのです。
恥ずかしながら、かつての私もそうでした。
30分のショーを依頼されたら、出来るマジックをただ並べたような構成で30分間を消化してしまっていたのです。
今、思えば、とてもショーとは呼べないものでした。
つまり・・
プロのパフォーマーとアマチュアの違いというのは、
ショーを見せられるかどうか?
というのが、大きな要因の一つなのです。
最後に。
優れたプロのパフォーマーであれば、
ショーが始まる前のリハーサルや観客の待ち時間でも会場をショーのような空間にしてしまいます。
それは・・
優れたパフォーマーは、つねに観客を楽しませる事を考えているからであり、
その人の存在自体がショーになってしまうからです。
スポンサーリンク
*画像「Pixabay」より